東京運輸支局長に勝家 省司氏が就任

現場の声を受け止め「センスのいい行政」を

東京運輸支局長に就任した勝家省司氏に、東京運輸支局としての抱負、燃料価格や油脂類の高騰、人材不足への対応、女性活躍、趣味などについて聞いた。

――東京運輸支局長としての抱負をお聞かせください。

勝家氏 支局長の業務については茨城で経験しておりますので、その点は東京でもお役に立てるとは思います。しかし、事業者の数や規模、交通の複雑さといった面で、やはり東京はレベルが違うと感じています。

支局は関東運輸局の中で最も現場に近い職場ですので、事業者の皆様の直接の声を聞きながら、一言で言えば「センスのいい行政」を心がけていきたいと思っています。

――燃料価格の高騰について、バス、トラック、タクシーなど各業界から厳しい声が上がっています。支局としてできることはありますか。

勝家氏 運輸支局が直接補助金を出すといった金銭的な支援は難しいのが実情です。ただ、本省や運輸局からは、現場に一番近い組織として「事業者が具体的にどう困っているのか」という声をしっかりと聞き、それを上に上げていくという役割を求められています。

すでに東京のバス会社やトラック業界の方々からもお話を伺っています。バス、トラック、タクシーに共通する課題として、燃料価格の高騰に加え、油脂類、容器などのプラスチック製品、ディーゼル車で使用するAdBlue®(アドブルー)といった関連製品の不足や価格高騰もあると聞いています。

新聞などでは、ビニール袋や食品パッケージにまで不安が広がっていると報じられており、今後そうしたところにも影響が出てくるのではないかと考えています。こうした現場の声をしっかりと伺い、運輸局を通じて本省に上げていくということを今やらせていただいています。

――整備業界からも、ここ最近の中東情勢の影響を背景に、潤滑油等が手に入りにくいという声が聞こえています。町の整備工場では、これまで通りに注文しても入ってこない、入っても注文量の一部にとどまるといった状況もあるようです。

勝家氏 それは本当に死活問題ですね。整備事業者の方々の声は、まだ十分に聞けていないので、早急にしっかりお話をうかがいたいと思います。

――業界全体の課題としては、人材不足も深刻です。担い手確保について、どのようにお考えですか。

勝家氏 少子高齢化による生産年齢人口の減少は、特定の業界だけでなく日本全体の問題です。

その中で、やはり女性の活躍は重要だと思います。働きやすい環境、例えば時間を柔軟に調整できるような仕組みが整えば、「バス会社ってパート感覚でも働けるんだ」という認識が広がり、担い手不足の解決策の一つになるかもしれません。

現状では、いまだに女性用の更衣室やトイレが十分に整っていない事業所もあると聞いています。まずはそういった基本的なところから取り組んでいただきたいです。人材のパイは限られていますから、外国人材の話もありますが、まずは女性の活躍を推進することが先決かもしれません。

――自動運転技術や外国人材の活用については、どのように見ていますか。

勝家氏 DXの推進や、バス・トラック・タクシー業界であれば、まだ先は長いかもしれませんが自動運転技術の導入が不可欠でしょう。日本の技術進展には期待したいところです。

また、外国人材の活用も今後の選択肢の一つとして考えられます。ただ、それは単に日本のドライバーが不要になるということではありません。国内人材の育成や定着とあわせて、必要な人材をどう確保していくかが重要だと思います。

――完全自動運転には期待がある一方、不安の声もあります。大きなバスやトラックが自動で走ることへの怖さを感じる人も少なくありません。

勝家氏 そうですね。そういった面から考えると、私はやはり「人」というソフトの部分を大事にしたいと思っています。

特にバスの運転手は、すごいプロフェッショナルです。車外の歩行者や自転車、最近では電動キックボードなど、周囲の交通状況に気を配りながら、車内のお客様の安全を守り、運賃の収受も行う。こうしたマルチタスクをこなせる素晴らしいドライバーを大切に育て、長く働いてもらえる環境を業界には作っていただきたいと思います。

せっかく育った人材が他の業種に流出しないよう、働きやすい職場づくりが求められます。健康である限り、年齢に関わらず長く働けるような環境があれば、担い手不足の解消にもつながるのではないでしょうか。

――ドライバーの不安や負担を軽くするためには、どのような取り組みが必要でしょうか。

勝家氏 そういった不安を軽減するためにも、自動ブレーキや車線逸脱防止支援システムといった最新技術の活用が重要です。ドライバーの負担を少しでも軽くするようなサポート技術が普及すれば良いと思います。


燃料価格や油脂類の高騰、人材不足、技術活用など、東京の運輸行政を取り巻く課題は多岐にわたる。勝家氏の言葉からは、制度や技術だけに頼るのではなく、現場で働く人、事業を支える人の声を行政につなげていこうとする姿勢がうかがえた。


続いて、勝家氏の人となりが伝わる話題として、趣味や休日の過ごし方について聞いた。


――趣味や休日の過ごし方についてお聞かせください。

勝家氏 多趣味な方ではありますが、長く続けている中心的な趣味は魚釣りです。子どものころから親しんできました。

意外と遠出をして、船で沖に出るのが好きです。レンタルボートを借りて、千葉の館山や神奈川の横須賀、内房から出ることもあります。もちろん、茨城の大洗や日立沖から出ることもあります。釣りたい魚に合わせて場所を選んでいますね。

釣り具店で時間を過ごすことも多く、見ていて飽きないんですよ。

――釣り歴は長いのですか。

勝家氏 物心ついたころから祖父に連れられていたので、3歳か5歳のころにはもう竿を握っていたそうです。寒い雪の降る中でもやっていたと聞いています。

船の免許も持っています。趣味の話になると、つい熱くなってしまいますね。

――釣った魚はどうされていますか。また、愛車についてもお聞かせください。

勝家氏 釣った魚は持ち帰り、自分でさばいて食べます。自宅をリフォームした際には、外で魚をさばける場所も設けました。

鯛やブリ、ワラサ、太刀魚、アオリイカなどを釣ることもあります。愛車は30年前に新車で購入したランドクルーザーで、現在も乗り続けています。

――仕事と休日の切り替えについては、どのようにお考えですか。

勝家氏 若い人たちも、休日は楽しんでオンとオフの切り替えをしているんだと思います。夢中になれる趣味はあった方がいいですよね。


東京という大きな行政エリアを担うにあたり、勝家氏は、事業者や関係者の声を丁寧に聞き、実情に即した行政運営を進めていく考えを示した。趣味の話題からは、長年続けてきた魚釣りへの愛着と、飾らない人柄が伝わった。


新東京運輸支局長プロフィール

勝家 省司(昭和44年4月生)

出  身  地   茨城県

家族構成 妻・娘2人・母・猫2匹


〈略歴〉

1990年4月:運輸省(現国土交通省)入省 

(中略)

2016年4月:関東運輸局茨城運輸支局首席運輸企画専門官(輸送・監査)

2017年4月:関東運輸局茨城運輸支局首席運輸企画専門官(輸送)

2018年4月:関東運輸局東京運輸支局首席運輸企画専門官(監查旅客)

2019年4月:関東運輸局自動車交通部貨物課長

2020年4月:関東運輸局自動車交通部旅客第一課長

2022年4月:関東運輸局東京運輸支局次長

2023年4月:関東運輸局自動車交通部次長

2024年4月:関東運輸局茨城運輸支局長

2026年4月:現職



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