関東運輸局と公正取引委員会、埼玉県で合同荷主パトロールを実施
関東運輸局(局長 藤田 礼子)は11月7日、公正取引委員会(委員長 茶谷 栄治)と連携し、埼玉県内の荷主事業者等を対象とした合同荷主パトロールを実施しました。本パトロールは、トラック運送事業における喫緊の課題である「物流の2024年問題」への対応を強化するとともに、令和8年1月1日に施行される改正「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)」の周知徹底を図ることを目的としています。
〇 労働環境改善と法令遵守の重要性を訴求
関東運輸局のトラック・物流Gメンは、トラック運転者の労働環境改善と輸送力不足の懸念解消に向け、荷主事業者等が配慮すべき事項について理解を求めました。具体的には、長時間の恒常的な荷待ちの防止や、運転者の改善基準告示に配慮した適正な発注、標準的運賃の理解と協力などについて、周知活動を強化しました。
これらの周知活動は、関係機関と連携することで、サプライチェーン全体での取引の適正化を促し、物流機能の維持に不可欠なトラック運送事業の持続可能性を高める狙いがあります。
〇 法改正に対応、「※特定運送委託」規制を周知徹底
一方、公正取引委員会は、来年1月に施行される改正取適法の周知活動を行いました。今回の改正では、物流業界に大きな影響を与える「特定運送委託」が新たに規制対象取引として追加されることが最大の特徴です。
これにより、発荷主が運送事業者に委託する行為が、より強制力を持つ同法の規制を受けることになります。公正取引委員会は、構造的な価格転嫁の実現を目指し、価格交渉への適切な対応や優越的地位の濫用防止など、取引の際の遵守事項・禁止事項について、荷主事業者等へ直接啓発を行いました。
両者が連携して合同パトロールを行うことで、貨物自動車運送事業法に基づく行政指導と、改正取適法に基づく規制の両面から、荷主事業者等への周知活動を強化し、物流業界全体の健全化と取引環境の改善を強力に推し進めます。
※特定運送委託:事業者が、販売する物品、製造を請け負った物品、修理を請け負った物品又は作成を請け負った情報成果物が記載されるなどした物品(例:作成を請け負ったデザインに基づいて製造されたペットボトル)について、その取引の相手方(当該相手方が指定する者を含む。)に対して運送する場合に、その運送の行為を他の事業者に委託することをいいます。
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