第14回トラック輸送における取引環境・労働時間改善千葉県協議会
関東運輸局千葉運輸支局(支局長 柳瀬 光輝)は1月25日に千葉市内において「第14回トラック輸送における取引環境・労働時間改善千葉県協議会」を開催、トラック運送事業の現状、千葉県内運送事業者への労働時間改善実態調査結果報告、支局・トラ協・労働局の取組状況の報告などが話し合われた。
冒頭、千葉労働局 岩野 剛局長は1日に起こった能登半島地震で被災された方々へのお悔やみ、お見舞いを述べ「今般の地震にあたりましてトラック事業者の皆様におかれましても、行政からの協力要請等にいち早くご対応いただくなど、トラック輸送は通常時はもとより、有事の際にも我が国の物流の要であるということを再確認させていただいた次第でございます。」とし、「ご承知の通りトラック運転者は他の業種に比べまして、長時間労働の実態にあいまして脳・心臓疾患の労災支給の決定件数も最多というふうになっているところでございます。長時間労働の是正など、物流を取り巻く労働環境の改善に当たりましては、本年4月からのスタートラインに向け、トラック事業者だけでなく、荷主企業をはじめサプライチェーン全体で一丸となって取引環境の適正化をはじめとする、諸般の課題に継続的に取り組むことが非常に重要となってまいります。」などとあいさつした。
㈱運輸・物流研究室 中田 愛子代表取締役 主任研究員からの千葉県内の運送事業者への労働時間改善実態調査報告では、千葉県のトラックドライバーの働き方改革の進捗実態についてアンケート調査の結果報告と支局が行ったヒアリング調査の報告(以下に資料掲載)があった。
池田トラック協会会長はこのアンケート結果に対し、「アンケートをとっていただきましたが、この175者、回答率35%、トラック協会に積極的に参加していただいている方を選んでいただいて、なおかつ35者は非常に前向きな事業者であると思います。このアンケート調査の中身は実態としては、こんなに甘くはないというのが本音。2千数社全てにアンケートをとっても、回収率というのはそれほど高くはないと思いますが、実態としてはこんなに良い数字はでてこないと私は思います。」とし、ヒアリング調査で成田空港の輸出貨物の搬入受付の際の業務のデジタル化について、「成田空港の場合、問題は輸入貨物の方で、こちらが我々が聞いた問題で、こちらを実態として捉えていただきたい。」と述べた。
その他、(一社)千葉県商工会議所連合会から国、県に対して「荷待ち時間の短縮については国、県によるIT活用の支援の拡充をお願いしたい。荷待ち時間の短縮にはトラック運送事業者、そして荷主双方のIT活用が大変効果的、必要なことかと思います。国には事業者がさらにITを導入しやすいように支援の拡充をお願いしたいと思います。運賃の引き上げへの支援についてです。今日のアンケートの話の中で割増賃金率の引き上げであったとか、そのための運賃引き上げの話がありましたが、その他にも高速料金の上乗せだとか、あと燃料費の高騰にかかるコスト、これらについて危惧されるのが、やはり立場の弱い運送業者へのしわ寄せが一番危惧されるところです。運賃の引き上げは課題解決の大きな焦点の一つですので、こうしたコスト増の価格転嫁、これが円滑に進むように、Gメンの皆さん、そして県による荷主への働きかけをさらに強めていただきますよう要望させていただきたい。」と話があり、荷主側である住友化学㈱千葉工場 臼井 理人生産管理部長からは「弊社でやっている取組みの中で、我々の事業を手伝っていただいている協力会社がありまして、この業者との真のパートナーシップという意味で色々な取組みのなかで荷主、元請と話しても生の意見はでてこないので、第三者の方に入っていただき、第三者の立場で色々な意見を伺っていただき、そこで出てきた案件については我々のきちっと対応していこうと考えています。総ての事業者からアンケートがでてくればいいが、出し切れていない事業者からの意見の吸い上げをぜひ積極的に何らかの方法で行うのがトラック協会全体の良い試みになるかと思います。」などの意見、要望などがあった。
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