日野自動車、日本バス協会のAI車内事故防止システム実証実験に技術提供
運転士の負担軽減と乗客の安全性向上を両立へ
日野自動車株式会社(代表取締役社長CEO サティヤカーム・アーリャ)は8月18日、(公社)日本バス協会が主体となって実施する「AI搭載型乗合バス 車内事故防止システム」の実証実験に対し、自社開発の車内転倒事故防止システムを提供すると発表した。画像AI技術を活用して車内の安全確保を図ることで、深刻化するバスドライバーの業務負担軽減と、乗客の安全性向上および車内事故低減の有効性を検証する。
■ 背景:ドライバー不足と車内事故対応の負荷が深刻化
路線バスをはじめとする乗合バス事業では、地域インフラとしての役割を果たす一方で、ドライバーの高齢化や深刻な人材不足が急務の課題となっている。運転士には高度な安全運転技術に加え、乗客の乗降確認や車内安全の監視など多岐にわたる業務が求められており、精神的・身体的負荷の軽減が不可欠だ。
さらに、発進時や停車時に発生しやすい車内転倒事故は、事故発生後の現場対応や再発防止策の立案など、事業者にとっても膨大な業務負荷が生じる要因となっていた。日野はこうした課題に対し、将来の自動運転化も見据えた技術開発の一環として、AIを用いた車内安全確保ソリューションの開発を進めてきた。
■ AIで車内をリアルタイム監視、運転士へ即座に注意喚起
今回提供されるシステムは、車内に設置したカメラと画像AI解析技術を組み合せたもの。
車内の状況をリアルタイムで検知・分析し、乗客の移動や不安定な態勢など、転倒事故につながるリスクをAIが即座に特定して運転士へ注意喚起(アラート)を行う。
過度に目視確認に頼っていた車内安全の監視業務をAIがバックアップすることで、運転士のストレス軽減を図り、未然の事故防止に繋げる狙いがある。
技術の知見
日野は2024年に京王電鉄バスと共同で車内転倒事故低減に向けた先行実証を実施しており、今回提供するシステムはその際の課題や知見を踏まえて改善・ブラッシュアップを重ねた改良型となる。
■ 大手バス事業者6社が参画、9月より順次検証開始
今回の実証実験は、日本バス協会の主導のもと、2026年9月から12月までの4ヶ月間にわたり、首都圏および中京・関西エリアの大手バス事業者6社で順次実施される。
各社における実施スケジュールは以下の通り。
対象バス事業者 実施予定時期
京王電鉄バス株式会社 2026年9月
神奈川中央交通株式会社 2026年10月
相鉄バス株式会社 2026年10月~11月
実証では、多様な運行環境下における事故防止効果の検証に加え、現場のバス事業者やドライバーにおけるシステムの受容性(使いやすさ・実用性)についても評価・収集する。
■ 今後の展望
日野自動車では、今回の実証実験で得られた実地データや事業者のフィードバックを、今後の製品・アフターサービスの開発へ速やかに反映させる方針だ。安全安心な地域交通の維持と持続可能な運行体制の確立に向け、課題解決型ソリューションの実用化をさらに加速させていく。
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