第16回トラック輸送における取引環境・労働改善中央会議及び第15回トラック運送業の生産性向上協議会
国土交通省は3月13日「第16回トラック輸送における取引環境・労働改善中央会議」及び「第15回トラック運送業の生産性向上協議会」を同時開催した。
この会議は、トラック運送事業の長時間労働の抑制等に向けた環境整備を進めるため、国土交通省、厚生労働省が共同で設置した「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」と、首相官邸 での「サービス業の生産性向上協議会」開催を受けて設置された「トラック運送業の生産性向上協議会」で、学校法人日通学園 野尻 俊明理事長が座長を務め、学識経験者、物流団体、民間企業の物流担当者など約30名が参加し、トラック運送業における取引環境の改善及び長時間労働の抑制に向けた最近の取組を国交省、厚労省、中小企業庁、公正取引委員会が報告、議論を行った。
冒頭、堀内自動車局長は「今年に入り2024年問題、注目が高まってきております。テレビのニュースや新聞などでも頻繁に報道されておりますほか、国会審議でも衆議院、参議院、与野党問わず運送業における適正な運賃の収受や、担い手の確保などが取り上げられてきております。トラック運送業取引環境は長時間労働の抑制を実現するためにはトラック運送事業者の努力だけでは困難な状況にあります。荷主の皆様などを始めとする関係者の皆様のご協力が必要不可欠となっています。その点について改めてご理解とご協力をお願い申し上げる。」と挨拶した。
国交省からの報告では、トラック事業の働き方をめぐる現状として、他産業に比べて、労働時間は2割長く、年間賃金は約20万~50万低い、人手不足感も有効求人倍率が2倍高いというなかで年齢構成も若年層の割合が低いという厳しい状況の中で対策を行っていかなければならない中、平成30年に改正された議員立法の4つある概要の中から時限措置として運用されている荷主対策の深度化と標準的な運賃についての説明があった。
資料によると、3段階の措置で「働きかけ」が76件、「要請」が3件となっており、荷主起因の違反行為の割合として荷待ちが43.1%と高い割合を示している。
昨年8月と今年2月に「要請」まで行った事例。
「標準的な運賃」
昨年3月に行ったアンケートでは全体として、交渉を行ったものといったものが52%ぐらいで、その中で一定の理解を得られたのは約33%という状況のなかで届出率52.6%までは上がっているが引き続き周知・徹底・浸透していかなければいけない状況と報告があった。
また、価格転嫁に向けた国交省の対応として、荷主企業への周知・広報の強化としては支局長等による荷主団体、荷主企業への訪問(計164回)等、相談窓口の設置では全国に64個の窓口を設置(令和5年3月1日現在42件の相談)、荷主働きかけ等の法的措置では42件の相談に基づき15件の働きかけを実施したと説明があった。
最近の動きとして軽貨物自動車の事故が非常に増えていることから、軽貨物についても時間外労働、改善基準告示、安全上の規定が適用されることの周知が必要とのことで協議会を行っている旨の報告があった。
最後に持続可能な物流の実現に向けた検討会の中間とりまとめの概要として、2024年度14%の輸送能力が不足する可能性があることが示されており、最終とりまとめに向けて3つの事項を検討・措置を行っていくとした。
厚労省からは上限規制と改善基準告示の適用み向けた周知の取組についてで、荷主特別対策チームの編成、トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター(トラック相談センター)などの報告と同日付での国交省との連名文書による荷主に対して協力要請の文書を公表した。
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